研究テーマ

田村研究室では、現在以下のテーマを研究しています。

Learning Analytics
Learning Analyticsとは、学習者のさまざまな活動や学習成果をコンピュータが自動的に収集・分析し、適切なフィードバックや助言を与えるものです。近年、学習者がノートPC・タブレットPCを使って授業中に学習することが普及しています。これらのデバイスを用いて、「学習者のどのような挙動や情報を取得し」「どのように分析し」「どんなフィードバックを与えると効果的な学習が可能か」を研究しています。
体育実技の支援
本学 保健体育研究室の島教授との共同研究で、フライングディスクの投動作を矯正するフィードバックシステムを開発しています。2010年にMicrosoft社がKinectを開発し、人体関節の3次元座標をリアルタイムで取得できるようになりました。同様の機能は従来からモーションキャプチャシステムで実現可能でしたが、Kinectはこれに対し安価で事前準備も格段に簡単になり、またWindowsのSDKを用いて応用システムの開発が容易です。
現在、フライングディスクの投動作における関節座標をリアルタイムで取得し、初心者が陥りがちな問題動作に対し、それを矯正するメッセージを表示するシステムを開発しており、被験者を用いてその有効性を検証していきます。

従来の研究テーマ

科研費 基盤研究(B) 26282059「ePub3電子教科書の国際的な仕様策定と実現可能性の検証」
学習者用PCの普及により、紙媒体の教科書・教材・参考書・ノートを電子媒体に移行する国が出始めています。この研究では、電子教科書の国際的な標準仕様案の1つであるePubをとりあげ、それに対して学習支援に必要な機能を追加する研究開発を行います。この研究プロジェクトは2014年4月〜2017年3月までの4年にわたって行われています。

科研費 基盤研究(B) 19300284「協調学習データの抽出とグループを超えた再利用の研究」

協調学習の研究では、学習支援ツールや学習者のロール分析などが進行しています。しかし、協調学習のプロセスで生成される中間成果物、すなわち議論の内容を分析し、それを学習支援に供するIT環境については、あまり着目されていません。このため、この基盤研究 (B)では以下の3テーマに注目し、研究を推進しています。この研究プロジェクトは2007年4月〜2011年3月までの4年にわたって行われていました。
メタ認知獲得を目指したeラーニング教材の研究開発
効率のよい学習を進めるためには、その分野や単元の個別知識を習得するだけでなく、「学び方」や「自分の理解状況の把握」が重要な要素になってきます。学習活動にかかわるこれらの要素を認知科学では「メタ認知」と呼んでおり、近年この分野の研究が盛んになっています。田村の研究室では、数学や物理などの問題解決を対象とした学習におけるメタ認知能力の習得方法や、協調学習活動(学習者がグループとなって意見を述べ、まとめ、共同作業を行う)におけるメタ認知能力の習得方法を研究しています。
協調学習を支援するeラーニング環境の研究開発
協調学習は、上記のように教員から一方的に知識やノウハウを教授されるのではなく、学習者がグループとなって活動するなかで、相互の知識獲得やノウハウの習得を行う学習形態です。我々はこのなかで、特に協調学習活動のダイナミックな側面に焦点を当て、協調学習をスムースに進めるためのノウハウを学習者がいかに身に付けるか、またそれをどのようにeラーニング環境が支援できるかを研究しています。
リアルタイム系遠隔学習の方法論と環境の研究
テレビ会議のように、遠隔地であっても教員と学習者が学習を進めていくことができる環境が整いつつあります。これに利用できるツールも、いわゆるCSCWのツールから、インスタントメッセンジャーのようなビデオ会議まで、さまざまなバリエーションがあります。これらのツールを適用してリアルタイム遠隔学習を行った場合、従来の対面授業では実現できない効果もあり、かつ対面授業では起こりえない不具合や学習上の問題も起こりえます。我々はこれらをまとめ、学習効果が高い方法論やそれに必要な環境を研究しています。